テンペスト

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

テンペストを読む

テンペストっていってもシェークスピアではなく、池上永一さんのほうの小説。

シャングリ・ラ、レキオス、そして、テンペストを読んで、あらためて、おもしろい!荒唐無稽なのですが、何しろ史実をフィクションの要素に取り込んでいるので、妙な現実感とあいまって不思議な感覚です。
小説ってほとんど読まないので、ひさしぶりになんだか人間っぽい物語に触れて、人間らしさをちょっと取り戻したような、そんな心地です。

既に2年前の作品なのですね。いつでも読めるはずだったのに、なぜ今読んだのか、読もうと思ったのかについて。

一つは、沖縄料理店でお昼を食べて、ああ、夏だし沖縄いいなー、とおもい、琉球が舞台のテンペストを思い出した、ということ。

もう一つは、前回の投稿で、沖縄基地問題を取り上げたので、そういえばその辺りの機微については池上さんの小説だ、と思い出し読んでみた、ということ。

コンセプトとしておもしろいのは、「国土」ということ。王朝とか王権とかはおいておいて、土地がありそこに住まう人々がいる、っていう素朴な発想は、そういえばあんまり最近感じていない事だったな、と。
海外に出て行った方がいいんじゃね?と漠然と考えつつ、海外情勢を追ってみたりしてみても、やっぱりもどってくるのはザ・日本人としての自分だったりします。
先祖、そして土地に愛着があったりと、近代合理主義、また産業資本主義的な考えとは相容れないなにかを、当たり前の存在と考えています。
この感覚は、先天的なものなのか、後天的なものなのか。伝統によるものなのか普遍のものなのか。都会で一人暮らしをして永くなりますが、その感覚は衰えていない。この価値観は必要なのか不要なのかというところも、実はどうも引っかかる部分です。ただし、この事をかんがえだすと、商売あがったりです。ええ、そりゃあもう。

テンペストを読んで、そんな事をもやもやと考えてしまい、ビジネスに支障をきたしそう。とりあえず、旧盆というこれまた民族的な伝承に右往左往されつつ、ご先祖様にご挨拶に帰らねばと思う夏のひでした。