怪しい本を続々と

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すっかり読書感想を記すサイトになっているなと思いつつ、つづけます。怪しい本を立て続けに。

二十世紀の千人 第3巻 モノ・財・空間を創出した人々
1995年刊なので、もう15年も前の本ですね。経済学者、実業家、建築家を4ページでまとめた伝記集とでも呼びましょうか。そういう本です。
はじめは建築家が入っているって気づきませんでしたが、バッキーとかも取り上げられていて、初めて気づきました。刊行当時はまだ存命のかたも多かったようですが、現在読むと結構亡くなっています。
建築に関して収穫だったのは、丹下健三、磯崎新といった超有名建築家に加えて、素人の自分としては知らなかったヴァルター・クライスラーという学者さんの立地論、クリストファー・アレクサンダーのパタン・ランゲージの都市と鄙といった関係があるのかかなと思ってみたり。また、日本の実業家に関して言うと、都市計画と不動産事業などから事業を広げていった西武グループ、阪急グループなどの系譜を知る事ができます。


ドクター・ハマー 私はなぜ米ソ首脳を動かすのか
昭和62年、1987年刊行なので、23年前!古いですね。アーマンド・ハマーというアメリカ人実業家の自伝の邦訳となります。翻訳は赤い盾や持丸長者の広瀬隆さん。
アーマンド・ハマーという人は、医学校を卒業したあとに、なにを迷ったかなんでもロシア革命直後のソビエトで商売で商売を始めた最初のアメリカ人なんだそうで、そこで商売を成功させます。レーニンとあって話し合った、なんて記述もあります。その後、美術商をしたり、アルコール飲料販売で成功したりしていき、60歳手前で引退しようかと思った矢先に、出資したオイルビジネスが大当たりしていきます。なんていう波瀾万丈な一生とおもいますが、加えて米ソ間の首脳の間をつなぐようなしごともしていた、ということだそうです。米国にきた鄧小平氏のパーティーには呼ばれていないのに駆けつけて、強引に話をつけてしまう荒技も。
最後のページには、不都合な真実で名を馳せたアル・ゴア氏も登場します。アル・ゴア氏はじつは父親アルバート・ゴアという名前で上院議員、さらに、このアルバート・ゴアがJFケネディに米ソビジネスの実務家としてアーマンド・ハマーを紹介しているのです。これをきっかけに米ソ開での調整を行ったみたい。
あとがきには、原子力産業の記載が無いと広瀬氏の指摘があるのですが、まさしくアル・ゴアの環境問題の提起が、原発利権にからむ問題につながっているのではないか。。。ということを考えさせられました。

共産中国はアメリカがつくった G・マーシャルの背信外交
2005年刊行、比較的新しいのですが、実際の文書がでたのがなんと1951年。著者はジョセフ・マッカーシー。赤狩りという共産主義者の摘発で豪腕をふるい物議をかもしたアメリカの政治家です。
テーマは何かというと、なぜ中国が共産化したのか?という問題にたいして、それは第2次大戦中は軍人として、戦後は国務長官として活躍した、ジョージ・カトレット・マーシャルの政策決定にあったのではないか、ということです。
まずは人物評から。マッカーシーはマッカーシズムとも呼ばれることばが残るように、共産主義に共感を持ってたり共産主義者の有力者を告発することによって、社会的抹殺が行われたりするような風潮を作り上げていた活動を行っていきました。この目的は、共産圏からのスパイ活動を防止することで国益をまもることでしたが、途中で盛り下がり、結局マッカーシーは没落していきます。映画グッドナイト&グッドラックをみると、悪いやつだ!
一方、マーシャルとはどういう人かというと、戦後ヨーロッパの復興案を提起したらしい、というのは、概要をつかむのも大変なのでまだ調べてないっす。で、この人どうも日米開戦にもかんでいたらしく、真珠湾攻撃を知ってたのにバッくれてたらしい。攻撃時ドコにいたのか、発言が曖昧で怪しい。
大雑把にいうと、マーシャルが共産圏と共謀して地球を東西に分断したのではないかということを、数々の政策決定を糾弾しています。また日本に関係することでは、ソ連参戦によって、満州を失い、北方4島も失いました。当時の軍部では、ソ連が参戦しなくても日本には勝てるという見込みがあったのにも関わらず、それを止める事ができませんでした。覇権という意味では、極東をアメリカの勢力圏におきたいはずにもかかわらず、です。
うーん、難しい話になるのですがそういうこともあるかもしれない、とおもった次第です。


洗脳の科学
1994年刊行、ものすごく怪しい本ですね。洗脳についての科学というよりも、もうちょっと概要的な話で、ソ連や中国で開発されていたイデオロギー教育についての記述が参考になります。また、米国で研究されていた(いる)薬物などによる意識操作などにも記載があります。原著は1970年代に書かれているので結構古いのですがそういうこれもそういうこともあるかもしれない、というのがまず所感。
脳みそに電極を刺してコントロール!なんてことができるようになってきた、という記述があり、否定的な扱いなのですが、今日においては、治療法の一つとして登場しています。それは脳深部刺激療法(Deep brain Stimulation)というもので、意思に反して体が振震する場合に効果があるそうです。
洗脳というとなにかキケンなにおいがしますが、広告や文書、テレビや本なんてのも、ある意味では洗脳みたいなモノだし、そもそも教育そのものが大きな洗脳行為であるともとらえる事ができるので、日常的に洗脳されているのが現代社会の生活者だろうな、というのが一点。なので、技術を用いて自分の脳を制御できるのでああれば治療の範囲でそれはOKだと個人的には考えます。
ではどういう洗脳は願い下げ下というと、やっぱり強要されたり無自覚に他者に不利益を与える行動を促すのはいかん、ということです。


以上、今回のメモでした。