SFとSocial fantasy

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間があいてしまったのは仕事でつくる人だったわけで、、、。

さて、工房的とは離れた本屋さんのお話。かくも本屋に足を向けてしまうのか、それは不思議でならないのですが、さりとて、行かない訳にはなれないという、不思議な場所です。

最近めっきり物欲もなく、さりとて、何か鬱屈たる気分に浸っているわけでもなく、比較的淡々と日々。

ところが、本屋という場所には、見た事もない世界が山のように築かれているわけで、年齢を重ねるにつれ、すべての本を読む事ができないというあきらめとともに、それでは何を読むのかというその選択が非常な切迫感をもって感じられる緊張の場所でもある訳です。

その意味で、本という彼岸の世界に加えて、本を選ぶという此岸の葛藤というこの二律の空間がすなわち書店であると改めて考える次第です。

で、何を選んだのか、、、というとSF2冊だったり。さっそくぺろりと読んでしまいました。

一冊は「タイタンの妖女」。現世をジェットコースターでかけた面々のお話。エンターテイメントでありながら、美しい。既に50年以上昔の作品にはなるのですが、昨今急激に盛り上がりを見せているソーシャルなネットワークについて考えました。作中の彼らは、過酷ではありながら、孤独ではないというその一点において、なんという幸福なんだと感じさせます。ソーシャルだいじ。

もう一冊は、「第四間氷期」という安部公房氏作品。未来を予測することができる機械と生き物についてのお話です。
恥ずかしながら、いままで安部公房氏を読んだ事がなく、なかなか刺激的でした。こちらも既に何十年も前の作品でありながら、現代も通ずる生命倫理の問題、コンピュータと人間疎外の問題について鋭い洞察を与えています。人間という生き物を相対的に見ると、逆に人間関係で一喜一憂するのもなんだかナンセンスとも思いつつも、風土や自然という連綿の中にいる事の幸せを感じます。

などと、突拍子のない物語を堪能しつつも、本という自己と対峙する存在のその上で、人と人との関係をやっぱり欲しているのかも自分と、理解を深める昨今です。